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ミュージアムの多様な輝きをおとどけします

ヤノベケンジ氏の「サン・チャイルド」を福島市に設置。物議を醸す

8月3日(金)に福島市にある教育文化複合施設「こむこむ」の前に、

現代美術家ヤノベケンジ氏の作品「サン・チャイルド」が設置されたことについて、物議が広がり、ヤノベ氏は「大変申し訳ない」と謝罪をしました。

◇ニュース記事

this.kiji.is

 

◇ヤノベ氏が出した言葉

http://www.yanobe.com/20180810_KenjiYanobe_Statement.pdf

 

ヤノベ氏の言葉を読むと、7年前の事故のことを彷彿させることや、子どもに科学を教える施設でもあるその前に、科学的にはありえない空間線量率「0」と記載のあるアートを置くことへの批判などがあったようです。

 

今回取り上げているこのニュースは、端的に言えばアート作品の意味について議論することです。ただ、アート作品を展示する場所を提供するミュージアム、今回の場合は子ども向けの教育文化施設に関わる話でもあるともいえます。

ミュージアムは、こういった市民の意見や、政治家の意見、作家がもつ制作背景を話し合える、第三者的な場所である可能性を持っています。当事者である今回の教育文化施設での話し合いは難しいかもしれないですが、福島市近辺の美術館等で、このことについて話し合える場所・時間などが用意されることを期待します。

アートを社会がどのように受容していくのか、それは今までもあったプロセスですし、これからも必要な手続きでしょう。大きな災害を経験した地域が、芸術作品をどのように受け入れ、価値付けを決めていくべきかといった議論の手続きは、自然災害が多い日本で行われることで他の国の一つの事例として教訓として語り継がれていくのではないでしょうか。ぜひ、地域に住んでいる人、関係者で話し合ってほしいとおもいます。